三島達はシェリルを見下ろす専用の(地球人サイズの)監視室に
招待されていた。
「おお。素晴らしい。本物のシェリル・ノームだ。」
スピーカーからゼントラーディーの所長らしい男の声がした。
ゼントラーディーの監視コントロールルームは別に存在していた。
興奮した彼らに潰されないための配慮だろう…
最初の面会時の握手のみで後は彼らとの
接触は基本無いのだ。ただ一人の例外シェリルを除いてだが…
この専用ルームより彼らをサポートし必要とあらばシェリルの
メインテナンスを敢行するのが今回の慰問団の任務だ。
「本当によろしいいのですか?連中にアノまま犯らせるってコトですよね?」
「一発で彼女、死んじゃいますよ。」
医療チームの面々が三島に尋ねた。
「かまわんよ。もはやそれでも…
それで
連中の忠誠が買えるなら安いものだよ。」
三島は不敵に笑いながら続けた。
「それに彼らもバカではない。勝算はあるらしい…だろ、ドクター」
初老のチーフらしき白衣の男が答える。
「ハイ。逮捕一週間後に連中にシェリルの身体データを迫られまして
提供したところ遺伝子レベルで解析しマイクローン技術に一部流用が
可能と結論付けたようでして連中…
この贖罪行為により彼女の絶命は無いと断言しております。」
マイクローン化技術はゼントラーディーの特許のようになっていた。
軍でも2機のマイクローン化マシンが運用されていたが
使用者、技師共にゼントラーディー人でありブラックボックスも多数
存在していた。
そのため人類には未だ未知の領域だった…
「門外不出の技術にアクセスするチャンスだと思いたまえ。」
「なるほど。」
医療チームも納得したようだ。彼らは瞬時にある可能性を探った。
そして、ソレは実現する…